アメリカゲーミング協会が責任あるゲーミング支援の新リソースを導入

アメリカ・ゲーミング協会(AGA)は6月23日、新たな責任あるギャンブル推進策「Play Smart Consumer Hub(プレイ・スマート・コンシューマー・ハブ)」を公開しました。
これは、オンラインギャンブル市場の急拡大や若年プレイヤーの増加、スマートフォン利用の普及といった近年の課題に対応しつつ、近年重要視される課題に対応して業界全体、さらには利用するプレイヤーの健全性を守ることを目的としています。
「Play Smart Consumer Hub」の三原則
「Play Smart Consumer Hub」は日本語では「責任あるプレイのための消費者支援ガイド」のような意味です。
このハブは、行動科学に基づいた以下の三原則を中心に構成されています :
- Right State of Mind(正しい心構え)
プレイ前にマインドセットと限界を確認し、冷静かつ集中した状態で始める - Know the Game(ゲームの理解)
オッズやハウスエッジなどの基本知識を提供し、情報に基づいた判断を支援する - Act Intentionally(意図的な行動)
予算設定や休憩タイミングの確保など、計画的なプレイを促進する
そして、実践に役立つ「プレイ前チェックリスト」や「責任あるゲームIQクイズ」などのインタラクティブなツールの提供も開始しています。
州政府や研究機関との連携も加速
このハブは、AGA単独ではなく州政府やオンライン事業者、教育・研究機関と連携した包括的な取り組みとなっています 。
たとえば、マサチューセッツ州ではプレイヤー向けガイダンスを提供、ニュージャージー州では、啓発キャンペーンと教育に資金を提供しています。
また、大学などの研究機関ではギャンブル依存を研究する精神医や社会学の授業と連動して、リソースハブを教材として活用する動きも見られ、教育分野への広がりもみられます。
アメリカゲーミング協会とは
アメリカ・ゲーミング協会(AGA)は、1994年に設立された米国のカジノ・ギャンブル業界を代表する業界団体です。
業界の健全な発展を目指し、政府への政策提言、責任あるゲーミングの推進、調査データの提供などを行っています。近年はオンラインカジノやスポーツベッティングの拡大に対応し、依存対策やプレイヤー保護に重点を置いたリソース提供にも力を入れています。
AGA会長兼CEO ビル・ミラー氏のコメント
プレスリリースでミラー氏は、「AGAはプレイヤーがゲームを自分でコントロールし、楽しみ続けられるように、分かりやすく実用的なツールを提供します」とコメント。その目的は「どこで、どう遊んでも、自分に合った習慣で楽しめるようになること」だと語っています
日本カジノ政策への応用可能性
日本政府が進めるIR制度化においても、このような包括的リソースの導入は今後の制度設計において大きな指針となる可能性があります。特に、大阪IRなどカジノ開業を控える地域では、AGAの取り組みをモデルにしたガイドラインの策定も期待されます。
※参照:American Gaming Association(AGA)公式プレスリリース