新型コロナウィルスのパンデミックにより、世界中のスポーツファンがライブでゲーム観戦ができないという事態に発展しました。このことは当然スポーツの世界における日常生活にも大きな変化を与えています。
その1つとして、アメリカではスポーツベットをする大学生が増えているという現象があります。
米国国立ゲーム情報センターによると、大学生の75%がスポーツゲームに賭けているという研究結果が出ています。2004年の調査時では23%であったことから、ギャンブル法が緩和され多くの広告がなされたことが背景にあると考えられます。
一部のスポーツベットサイトは最初の賭けに対して100%の払い戻しを提供しています。このような広告により、少ないリスクで魅力的なスポーツベットを体験してみようという学生が増えることになります。
さらにこのような体験に学生が興味を持つ理由として、自由な時間があり退屈している学生が多いこと、スポーツベットサイトに簡単にアクセスできることが考えられます。
アメリカのテネシー州は19番目にスポーツ賭博を合法化する州となります。そしてオックスフォードエコノミクスによる調査によると、テネシー州はスポーツ賭博により毎年最大で450万ドルの収入が得られる可能性があるとしています。
スポーツ賭博における法律では、テネシー州がスポーツベットから得た税収の80%は教育への資金援助に使われると定めています。さらに15%は地方自治体のインフラ整備に、残りの5%は州のメンタルヘルスの改善に使われます。ギャンブル依存症と薬物乱用の支援に資金の一部を集中させることになります。
テネシー州ではカジノや競馬場を提供せず、物理的なスポーツベット施設を合法化していません。つまりオンラインでのみ、スポーツベットを楽しめるということです。
インディアナ州は10月のスポーツベット総額が2億3100万ドル近くとなり、前年同月比150%以上の増加となりました。このうち、84%はオンラインベッティングによるものです。
このうちサッカーへの賭け金は8470万ドルと、最大のシェアを占めています。
対してカジノの収益は1億6700万ドルと、前年同月比7%の減少となりました。これはスロットマシンの利用制限やテーブルゲームにおける座席数制限、レストランの営業時間短縮などが影響しているとみられています。
統合型リゾートの上場企業であるウィン・リゾーツは米国でのオンラインベッティングを強化するため、あらたな合弁企業に8000万ドルを投資しました。
ウィン・リゾーツは2年前にヨーロッパのオンラインゲームオペレーターであるベットブルとパートナーシップを結びました。そして「ウィン・インタラクティブ」というあらたなベンチャー企業を立ち上げ、スポーツベット業界に参入しました。
このあらたな合弁企業は昨年、2100万ドルの収益をあげています。今後は数カ月でコロラド州、ミシガン州、インディアナ州に事業を拡大する予定です。