マカオのカジノ収益が回復傾向に!観光業は本格復活なるか?

風真 信

アジア最大級のカジノエリア「マカオ」では、新型コロナ禍からの回復がいよいよ本格化しています。
2025年春の観光需要増加とともに、カジノ業界の収益も好調な推移を見せており、今後の展望に注目が集まっています。
2025年5月、カジノ収益は過去最高水準が予想
マカオのゲーミング監察調整局(DICJ)の公式発表によると、2025年4月時点でゲーミング粗収益(GGR)は約195億パタカ(約3,500億円相当)に達しています。
さらに5月喜にはは4月を上回る見込みとされています。
こうした好調な流れは、2024年の年間GGRが約1,830億パタカを記録したことからも裏付けられています。マカオ市場は完全回復への道を着実に歩んでいると言えるでしょう。
【要因①】労働節(ゴールデンウィーク)で観光需要が急増
2025年5月1日〜5日の中国の「労働節ゴールデンウィーク」期間中、本土からの訪問客数は約85万人(前年比40%増)と大幅に増加しました(マカオ観光局発表)。
観光局担当者は「中国本土からの旅行者は、滞在時間・消費額ともに増加傾向にある」と述べています。
一方で、この需要増はしかし、この訪問客増は中国の好景気を反映したものではなく、逆に景気停滞により欧米への旅行から近場の観光が注目を浴びたとも考えられます。
【要因②】新規ホテルや観光施設の開業が追い風に
2025年春には、マカオを代表するリゾートエリア「ギャラクシー・マカオ」内に「カペラ・マカオ・ホテル」が新規オープン。
同ホテルは高級層・VIP層向けのサービスを提供しており、関係筋の報道ではVIP関連売上が増加傾向にあるとされています。
また、マカオ旧市街地のカジノ施設リノベーションも進行中。カムペック・カジノを含めた新しい観光資源の整備が、さらなる集客に貢献しています(※正式なオープン状況は確認中)。
VIP中心からマス市場中心への構造変化に注目
かつてのマカオはVIP層(ハイローラー)主体の市場でしたが、近年は一般観光客(マス市場)の比率が7割以上を占めるようになっています。
2025年春時点でも、マス市場による収益は全体の約70%。
最新のDICJデータによれば、2025年4月のマス市場GGRは約158億9,000万パタカ(約2,800億円規模)と推計されています。
これは、観光客層が多様化しつつあることを示しており、より幅広い顧客ニーズに応える市場構造へと進化しています。
今後の展望:さらなる回復のカギは「ベースマス層」
専門家のヴィタリー・ウマンスキー氏は、「今後はベースマス(一般層の中でも比較的低価格帯の旅行者)へのアプローチが重要になる」と述べています。
マカオエリアの完全回復は、より広範な消費者心理の回復と、観光体験のさらなる充実にかかっているといえるでしょう。
まとめ
✅ マカオのカジノ業界は2025年春に力強い回復基調
✅ 労働節の観光需要増と新規施設オープンが追い風
✅ VIP市場からマス市場への構造変化が進行中
✅ 今後の成長には一般観光客層へのアプローチが重要