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ネットカジノのマネーロンダリング

ネットカジノ(オンラインカジノ)を利用する際にチェックする利用規約には、入出金やアカウント口座に関するこまかな条件が記載されています。

重複アカウント作成の禁止など規制もいくつかありますが、使用条件にこまかな決まりがあるのは「マネーロンダリング対策」のためでもあります。

ユーザーが気づかないうちにマネーロンダリングとみなされる行為があれば、口座を凍結されて残高を没収されることもあります。

そこでついうっかりと違反行為をすることがないように、マネーロンダリングとはどのようなものなのか、ネットカジノで禁止される行為はどのようなものかを詳しく解説します。

これからネットカジノを利用しようという方は特にチェックしておくことをおすすめします。

 

マネーロンダリングとは

マネーロンダリング(マネロン)とは、不正に入手したお金の出所をわからなくする行為です。

マネーロンダリングの目的は不正に入手したお金を、差し押さえや摘発により没収されないようにすること。具体的には複数の金融機関の口座にお金を振り分けたり、あるいは株式や不動産などを購入したあとに売却して現金化したりといった手段を講じます。

日本では2007年1月4日から10万円を超える振り込みがATMではできなくなり、窓口で本人確認書類を提出したうえで手続きできるようになりましたが、これはマネーロンダリング対策の一環です。

銀行など金融機関はFATF (Financial Action Task Force)の基準に従って対策を講じることを求められています。

 

ネットカジノがマネーロンダリングに利用されやすい理由

銀行などの金融機関ではないネットカジノでもマネーロンダリング対策を講じています。

なぜネットカジノがマネーロンダリングに利用されてしまいやすいのかを説明します。

 

キャッシュをチップに交換するため

ネットカジノに限らずランドカジノも、キャッシュをチップに交換してゲームに使用し、ふたたびチップをキャッシュに換金します。換金すればそのお金はあくまでも「カジノで得た勝利金」とすることができます。実際に使っているかどうかは関係ありません。

 

ネットカジノで決済できるため

ネットカジノはユーザーがアカウント口座を開設し、そこにキャッシュを保管できます。不正に入手したお金を一度ネットカジノの口座に入金し、そこから出金することで入手ルートがわからないようにできます。

銀行口座が利用されるように、ネットカジノの口座もマネーロンダリングに利用することが可能だと考えられるということです。

 

誤送金された給付金はマネーロンダリング目的で使用したのか

2022年4月に山口県で新型コロナウィルス感染症対策として463世帯に送金するはずの給付金を1つの口座に誤って送金する事態が発生しました。この口座の名義人は送金されたお金をすべてオンラインカジノで使ったとし、5月に山口県警に逮捕されました。あまりにも短期間に4630万円ものお金を使い切ったと証言していることから、マネーロンダリングにオンラインカジノを利用したのではないかという意見もありました。

 

給付金をマネーロンダリングするには

誤送金された給付金をオンラインカジノの自分のアカウントに送金し、マネーロンダリングする手順として次の2つが考えられます。

まず1つは送金したお金を使うことなく別のルートで異なる口座へ送金する方法、そしてもうひとつは実際にカジノゲームで使用して勝利金を獲得し、これを別の口座に送金する方法です。

いずれも誤送金されたお金をオンラインカジノですべて使ったと供述すれば、逮捕され刑罰を受けたあとに別口座に振り込んだお金を使えるようにも思えます。

たとえば銀行口座に直接送金しなくても、決済代行業者の口座へ移し、そこから出金すれば痕跡を辿るのは難しいかもしれません。

 

給付金を実際にマネーロンダリングすることは可能か

実際にこのようなマネーロンダリングができるのかというと、おそらく不可能でしょう。

まずオンラインカジノは入金したお金をゲームで使うことなく出金することはできない仕組みになっています。これはネットカジノが運営に必要なライセンスを取得するにあたり、マネーロンダリング対策として講じるよう指導されているからです。

そしてもうひとつのカジノゲームで勝って勝利金を得る方法ですが、これ自体は不可能ではありません。しかしその勝利金を決済代行業者の口座へ移せたとしても、そこから出金するためには自分の銀行口座へ送金しなければなりません。その時点でお金の流れは税務署が把握できるので、どのようなルートで入金したお金なのかはすぐにバレます。

つまりネットカジノを利用して誤送金されたお金を別ルートで出金しようとしても、それは不可能であるかお金の流れを把握され発覚することがわかります。

 

誤送金した給付金は回収された

オンラインカジノで使ったとしている誤送金した給付金は回収困難かと思われましたが、最終的にはオンカジサイトへの送金に利用した決済代行業者からの返還を受けて、ほぼすべてを回収できました。

まず誤送金された口座の銀行に町が情報提供を求め、決済代行業者3社を割り出しました。そして、不正入手した給付金を「振り替えた」決済代行業者の銀行口座を差し押さえたことで、業者が送金されたお金を返還したということです。

 

ネットカジノのマネーロンダリング対策

ネットカジノはマネーロンダリングに利用される恐れがあることを理解しています。そのため、厳重なマネーロンダリング対策を講じています。

 

1. 複数アカウント作成の禁止

ネットカジノは複数のアカウントを作成することを禁止しています。異なるメールアドレスで登録をしても、スマホの識別番号をチェックして重複アカウントは凍結します。

またネットカジノからの出金には身分証明書の提出が必要なので、複数のアカウントを作成できても本人確認手続きの時点でチェックされます。

複数アカウントが認められれば口座は凍結されますし、以降はアカウントを作ることができません。

 

2. 入出金に関する規制

ネットカジノでは入出金に規制をして、マネーロンダリングを防止しています。

 

身分証明書の提出

基本的にネットカジノでは、出金する前にユーザーの身分証明書を提出することを求めています。入金とゲームプレイは身分証明書がなくてもできますが、出金するためには身分証明書と住所確認書類の提出が必要です。

 

入金方法と出金方法の同一化

ネットカジノには入出金の方法がいくつかありますが、入金と出金の方法を基本的に同じにする必要があります。ただしクレジットカードで入金した場合には銀行送金の利用が必要です。そのため、銀行送金での入出金履歴を作ることを求められます。

 

入金したお金はそのまま出金できない

ネットカジノに入金したお金はゲームで使うことなく出金することはできません。必ず入金額以上をゲームで使わなければ、出金できない仕組みです。

ただしカジノゲームの賭け方によっては、賭け金をほとんど失うことなく勝利金を得る方法があります。そのような方法は利用規約に禁止事項として記載されています。

 

資金源の確認

ネットカジノでは入金額がある程度の金額になると、その資金源を証明する書類の提出を求めます。会社員であれば給与であることの証明が必要ですし、個人事業主であれば確定申告の写しなどが必要になります。

入金された金額が収入よりも多ければ、預金証明を求められることにもなるでしょう。このようにネットカジノではどこからお金を調達したのかを厳しくチェックしています。

 

ゲームプレイのチェック

ネットカジノからの出金申請をしたあとは、ゲームプレイに禁止行為がないかチェックされます。出金に時間がかかるのは、そのチェックに時間がかかるからです。

もし禁止行為があるとされた場合、出金申請は取り消され出金できなくなります。気づかずに禁止プレイをすることがないよう注意しなければなりません。

 

マネーロンダリングを疑われる行為

ネットカジノでマネーロンダリング行為を疑われると、口座のお金は没収されます。

そこでどのような行為をするとマネーロンダリング行為と疑われるのかを、知らないうちに行ってしまうことがないように知識として理解しておきましょう。

 

入金したお金をそのまま出金しようとする

ネットカジノに入金したお金をゲームで使うことなく出金しようとすれば、マネーロンダリングを疑われます。

実際にはそのような行為はできませんが、出金手続きをするだけでチェックされることがあるので注意しましょう。

 

ローリスクなプレイをする

ローリスクなプレイとは、損失リスクが少ない賭け方をすることです。

たとえばルーレットで、赤のポケットと黒のポケットに同額をベットする行為は禁止されています。理由は、赤または黒のどちらのポケットにボールが落ちても、賭け金の2倍の配当を受け取り資金が減少しないからです。

ただし「0」(あるいは「00」)の緑のポケットに落ちれば外れとなり賭け金は没収されますが、その確率は1/37(あるいは1/38)しかありません。

この賭け方を続ければ、「入金したお金はすべてゲームで使用する」という条件を簡単にクリアして出金できるようになります。そのためネットカジノでは禁止行為とし、実行すればマネーロンダリングを疑われることにもなりかねません。

カジノゲームの初心者は気づかずに行うことがあるので注意しましょう。

 

仮想通貨でのマネーロンダリングは可能?

仮想通貨が利用できるオンラインカジノでは本人確認書類の提出を不要とするサイトがあります。

本人確認をせずに利用するのでマネーロンダリングは可能かというと、そうではありません。ビットコインなどの仮想通貨にはブロックチェーンに取引履歴が残るからです。

さらに仮想通貨の送金に利用するウォレットにも個人情報を登録します。何かあれば個人の特定が可能なので、仮想通貨を利用してもマネーロンダリングは難しいと考えてよいでしょう。

 

まとめ:マネーロンダリングの知識を得てネットカジノを利用しよう

ネットカジノはマネーロンダリングに利用されやすいと言われますが、実際にはさまざまな対策を講じているためほぼ不可能と言えます。そしてゲームプレイにおける禁止行為や決済における決まりが定められています。知らずに禁止行為をすることがないように、利用するネットカジノの利用規約には必ず目を通しておきましょう。

 

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