ハウスエッジとは?ギャンブルやゲームごとに比【カジノ基礎知識】

蓮見 歩夢

ギャンブルには、それぞれ「プレイヤーにとって有利かどうか」を示す重要な指標があります。
それが「ハウスエッジ(House Edge)」と呼ばれるものです。
この記事では、ハウスエッジの基本的な意味や仕組み、そしてハウスエッジを踏まえた上で勝ちやすいゲームの選び方をわかりやすく解説します。
賢くゲームを選んで、あなたの勝率アップにつなげましょう!
ハウスエッジとは
ハウスエッジとは、「取り分」や「控除率」のことを指します。
カジノで言えば、カジノが利益を得るために設定している割合で、プレイヤーから見ればゲームの「不利さ」を表す数値とも言えます。
ポイント
- ハウスエッジが低いほどプレイヤーに有利
- カジノ側の取り分が少なく、プレイヤーに還元されやすい
- 勝利金を得られる可能性が高まる
ルーレットを例にした説明
たとえばルーレットの場合、「赤」か「黒」かどちらにボールが落ちるのか、その確率はほぼ半々ですが、緑の「0」や「00」があることでカジノ側が利益を得ています。
項目 | 数値 | 説明 |
---|---|---|
赤か黒にボールが落ちる確率 | 約18/37(約48.6%) | 赤か黒のどちらかが出る確率 |
配当倍率 | 2倍 | 的中時の配当倍率 |
期待値(理論上の戻り率) | 18/37 × 2 = 約0.97 | 1ドル賭けたら理論上0.97ドルが戻る計算 |
プレイヤーの損失割合(ハウスエッジ) | 1 − 0.97 = 0.03(約3%) | 期待値との差分、つまりカジノの取り分(3%) |
もう少し簡単にまとめると
- 1ドル賭けると平均して0.97ドルしか戻ってこない
- 0.03ドル(3%)はカジノ側の利益となる
- この3%が「ハウスエッジ」と呼ばれる割合
各ギャンブルのハウスエッジ
日本で違法性がなく楽しめる公営ギャンブルそれぞれのハウスエッジをご紹介します。
ギャンブル種別 | ハウスエッジ(控除率)目安 | 説明・備考 |
---|---|---|
宝くじ(ジャンボ宝くじ等) | 約45%〜55% | 当選確率が非常に低く、控除率が高いことで知られる。※1 |
競馬(JRA) | 約15%〜25% | オッズによって変動。平均的に約20%前後の控除率とされる。 |
競輪 | 約20%〜25% | 公営競技の中では平均的な控除率。 |
オートレース | 約20%〜25% | 競輪に近い控除率で、公営ギャンブルの標準的な範囲。 |
サッカーくじ(toto) | 約18%〜22% | 変動あり。配当額や試合結果の変動で控除率が上下。 |
パチンコ | 約5%〜15% | 機種や遊技条件で幅広い。多くは10%前後。 |
ランドカジノ | 約1%〜5% | 施設・ゲーム種類により異なる。テーブルゲームは比較的低い。 |
オンラインカジノ | 約1%〜5% | プロバブリーフェアなどの公正性保証あり。一般的に低控除率。 |
オンラインカジノはゲームによってハウスエッジが異なります。
もっともハウスエッジが低いブラックジャックの場合には、基本戦略を完全に実践した場合にわずか0.28%となっています。スロットの場合は機種にもよりますが、もっとも高いハウスエッジでも15%です。
このようにオンラインカジノのハウスエッジは、ゲームを楽しむプレイヤーには有利になっていることがわかります。.
以下にゲームごとのハウスエッジを紹介していきます!
オンラインカジノの各ゲームのハウスエッジ
それでは具体的に、オンラインカジノのゲームごとのハウスエッジをご紹介します。
ゲーム名 | ハウスエッジ(控除率)目安 | 備考 |
---|---|---|
ブラックジャック | 0.5%〜1% | 基本戦略を正しく使った場合の理論値 |
ルーレット(ヨーロピアン) | 約2.7% | シングルゼロ(0)が1つのタイプ |
ルーレット(アメリカン) | 約5.26% | ダブルゼロ(0と00)があるタイプ |
バカラ(プレイヤー) | 約1.24% | プレイヤーへの賭けの場合 |
バカラ(バンカー) | 約1.06% | バンカーへの賭け。手数料(5%)がある場合が多い |
スロット | 約2%〜10% | 機種によって大きく異なる。一般的には約5%前後が多い |
クラップス(パスライン) | 約1.41% | 基本的な賭け方 |
ビデオポーカー | 約0.5%〜1% | ゲームバリエーションによるが、理論上はかなり有利 |
キeno(キノ) | 約25%〜29% | 高控除率のゲーム |
ポーカー(プレイヤー対ハウス) | 約2%〜5% | ゲームの種類による |
テーブルゲーム vs ライブカジノ:ハウスエッジに違いはある?
オンラインカジノには「テーブルゲーム」と「ライブカジノ」の2種類があり、ルーレット・バカラ・ブラックジャックなどは両方で遊べます。
違いのポイント
- 最少ベット金額:テーブルゲームの方が低めのことが多い。
- ハウスエッジ:基本的にテーブルゲームもライブカジノもほぼ同じ。
実際のカジノと同じハウスエッジになるよう設計されているためです。
大きな違いは「ゲームの再現性」と「戦略の使いやすさ」
テーブルゲームはグラフィック中心で、カードはプログラムによる乱数生成(RNG)で決まることが多く、カードの残りを推測できないため「カウンティング」は効果がない。
ライブカジノは「シュー」と呼ばれるカードの束をリアルに使い、カードの流れを実際に再現している。
そのため、ブラックジャックの「カウンティング」(カードの残り枚数を数える戦略)が理論上可能です。
ハウスエッジを活用した賢いプレイ方法
ハウスエッジは、長時間プレイするとプレイヤーの資金が減っていく割合のことです。例えば、1万円の資金があれば、同じゲームを続けるほど、理論上はハウスエッジ分だけお金が少なくなっていきます。
ただし、これは「同じゲームを続けた場合に限る」という条件がポイントです。ゲームを変えれば、この収束はリセットされると考えてよいでしょう。
ゲームプレイでの具体例
- ルーレットで1万円を10,500円に増やしたとします。
- このままルーレットを続けると、やがてハウスエッジの影響で資金は減り、元のより少ない額に近づきます。
- そこでルーレットをやめて、今度はバカラを始めるとします。
- バカラのハウスエッジが新たに適用され、資金10,500円に対して減少していきますが、途中で利益が出ることもあります。
- 利益が出たところでバカラをやめれば、その時点で利益を確定できます。
ハウスエッジによる損失は長期的には避けられませんが、利益が出たタイミングでゲームを切り替えたりやめたりすることで、損失を抑えつつ利益を確保することができます。
これがハウスエッジを意識した、賢く勝つためのプレイ方法です。
ハウスエッジ以外に「ボラティリティ」も意識しよう
前章では、ハウスエッジによって資金が徐々に減っていく仕組みについて説明しました。ですが、それと同時に注意したいのが、資金の増減の幅の大きさです。
この「資金の増減幅」のことを専門用語で「ボラティリティ」と呼びます。投資の世界でも重要視される指標で、カジノゲームでも同様にリスク管理に欠かせません。
ボラティリティとは?
- ボラティリティが大きいゲームは、資金が大きく増えたり減ったりする可能性があるが、ゼロになるリスクも高い
- ボラティリティが小さいゲームは、資金の増減が比較的穏やかで安定しやすい
具体例:ルーレットの賭け方で比べると
ボラティリティが非常に高く、大きく勝つチャンスもあるが損失リスクも大きい
赤黒に賭ける場合:
勝つ確率は約18/37(00ありなら18/38)でほぼ半々
資金の増減は比較的小さく安定している
一点賭け(特定の数字に賭ける)場合:
勝つ確率は約1/37(または1/38)で非常に低い
10回に1回当たるかもしれないが、100回以上当たらないこともある
つまり、赤黒よりも一点賭けのほうが損失が大きくなる可能性が高く、その一方で大きな利益を出す可能性もあることがわかります。
同じハウスエッジのゲームでも、ボラティリティの違いによって資金の増減パターンやリスクは大きく変わります。 長く安定して遊びたいならボラティリティの低いゲームを、短期間で大きく勝ちたいなら高いボラティリティのゲームを選ぶのがポイントです。