米国ミズーリ州でスポーツベットが合法化、2025年12月解禁予定

太田半兵衛

アメリカ・ミズーリ州では、2025年12月1日からスポーツ賭博が合法化され、解禁される予定です。
この動きは、2024年の大統領選挙に合わせて実施された住民投票を経て実現しました。2024年12月に、「小売店およびオンラインでのスポーツ賭博合法化」が可決・承認されたのです。
アメリカ国内では、2018年以降、スポーツ賭博を合法化する州が増加しており、現在では38州がスポーツ賭博を認めています。そしてミズーリ州は、スポーツベットができる39番目の州として加わることになりました。
スポーツベット解禁に向けライセンス申請が開始
ミズーリ州では、2025年12月1日のスポーツベット合法化に向けて、ミズーリ州ゲーミング委員会が5月15日からライセンス申請の受付を開始しました。
「ダイレクトモバイルライセンス」と呼ばれるオンライン(Web)でのスポーツベット申請の締め切りは7月15日です。その後、公聴会を経て8月15日にライセンス付与企業が決定されます。
一方、小売店や移動販売のライセンス申請締め切りは9月12日とやや遅くなっています。
ライセンス発行枠と参入企業の動向
ミズーリ州ゲーミング委員会は、以下の数のライセンスを発行する予定です:
- 小売ライセンス:最大19件
- オンラインライセンス:最大21件
- 合計:最大40件
スポーツベット合法化の推進を資金面で支援してきた大手企業、DraftKings(ドラフトキングス)やFanDuel(ファンデュエル)をはじめ、BetMGM、ESPN BET、Fanatics、Caesars Sportsbookなど多数の有名ブックメーカーの参入が確実視されています。
スポーツ賭博解禁がもたらす経済効果
ミズーリ州はプロスポーツチームが多数あり、スポーツベット市場として非常に有望です。
主なプロチーム:
- NFL:カンザスシティ・チーフス(スーパーボウル優勝4回)
- MLB:セントルイス・カージナルス(ワールドシリーズ優勝11回)、カンザスシティ・ロイヤルズ(ワールドシリーズ優勝2回)
- NHL:セントルイス・ブルース(スタンレーカップ優勝1回)
- MLS:セントルイスSC
- NWSL:カンザスシティ・カレント
これらのビッグイベントがもたらす税収は、合法化初年度に約4,750万ドル、5年目には3億8,700万ドルに達すると予測されています。
その税収の一部は以下の用途に使われます:
- 教育への投資(5年間で約1億5百万ドル)
- ギャンブル依存症対策(年間約500万ドルの費用)
また、スポーツベット解禁により、カジノ施設や関連業界で約2,000人の新規雇用が創出される見込みです。関連する観光業や飲食業も収益増加が期待され、地域経済の活性化が大いに期待されています。
ミズーリ州のスポーツベット合法化、関係者の声
カンザスシティ市議会議員のウェス・ロジャーズ氏は、
「私たちは長年にわたりこの取り組みに注力してきました。スポーツベットによる歳入が地域にもたらす貢献を楽しみにしています。」とコメントしています。