和歌山県がカジノを含むIRリゾート誘致の再検討へ 宮崎新知事「ゼロから見直す」

和歌山 カジノ
和歌山県がカジノを含むIRリゾート誘致の再検討へ 宮崎新知事「ゼロから見直す」

和歌山県は、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致計画について、再び検討を始める方針を明らかにしました。

県では2022年、IR区域整備計画案が県議会で否決され、一度は誘致を断念していました。しかし、2025年6月に就任した宮崎泉知事は、「県としてIRをもう一度、ゼロベースから検討していく」と述べ、再検討の姿勢を打ち出しています。

【経緯】和歌山県のIR誘致、過去には議会で否決

和歌山県は2018年、和歌山市の人工島「マリーナシティ」をカジノを含むIR(統合型リゾート)の建設候補地として名乗りを上げました。

2020年には、カナダの投資会社クレアベスト・グループ(Clairvest Group)を中心とした企業連合が、県の優先交渉権者に選ばれ、本格的な整備計画の策定が始まりました。翌年には県民説明会やパブリックコメントの募集、県議会での議論など、誘致に向けた動きが本格化していきます。

しかし2022年4月、県議会本会議でIR区域整備計画案は反対22・賛成18で否決されました。資金調達の不透明さや、ギャンブル依存症への懸念、治安悪化の可能性などが主な理由とされました。

当時の仁坂吉伸知事は、議会の決定を受けてIR誘致の断念を表明。「県にとって損失だが、議会の判断を尊重する」とコメントしています。

宮崎新知事「IR誘致はゼロベースから再検討」

2025年6月に就任した和歌山県の宮崎泉知事は、カジノを含むIR誘致について「ゼロベースから検討する」との考えを示しました。6月19日に開かれた県議会定例会では、「IR誘致については白紙の状態から、時間をかけて慎重に検討していく」と明言しています。

IR計画は2022年に県議会で否決され、一度は断念されましたが、当時の仁坂吉伸前知事は「和歌山の発展のため、別の形でもIRを実現してほしい」との意向を残していました。

宮崎知事はこうした前知事の意志も受け継ぎつつ、改めて県としての姿勢を明確にしています。

国のIR第2期公募、2026年に開始予定

現在、日本国内で唯一認可されているIRリゾートは大阪・夢洲(ゆめしま)で、2023年の開業に向けて準備が進んでいます。

こうした中、日本政府は2026年にIR誘致の第2期公募を開始する方針を示しています。政府の計画によれば、2026年12月には「IR地区開発計画」を含む申請書の受付を開始し、観光庁や内閣官房のIR推進本部、国土交通省の有識者審査委員会による審査を経て、2027年には最大2エリアに新たな整備許可が下りる見通しです。

この第2期公募を見据え、各自治体ではIR誘致に向けた準備や議論が再び活発になりつつあり、和歌山県の動きもその一つといえます。

課題は資金計画と県民の理解

2022年に和歌山県が進めていたIR誘致計画では、「資金は国内企業から調達する」とされていたものの、具体性や透明性に欠けるとの指摘があり、県議会で否決される結果となりました。

今後、再びIR誘致を検討するにあたっては、明確で現実的な資金調達計画の策定が大きな課題となります。

一方で、県内ではIRリゾートを人口減少や地域経済の停滞を打開する起爆剤として期待する声も少なくありません。特に観光資源に恵まれた和歌山にとって、IRは新たな集客装置としての可能性を秘めています。

しかしその一方で、ギャンブル依存症の懸念や治安への影響、地域コミュニティの変化を不安視する声も根強く、県民の間では賛否が分かれています。

宮崎泉知事が掲げる「ゼロベースでの再検討」は、過去の教訓を踏まえたうえで、県民の不安を丁寧にくみ取り、納得と理解を得ながら進める姿勢が求められます

IR誘致が再び実現に向けて動き出すには、何よりも「県民の理解と信頼の確保」がカギとなるでしょう。

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