
スポーツは世界中で、多くの人にとって暮らしの中の大切な一部となっています。
世界で活躍するアスリートはいつの時代でも子どもたちの憧れですよね。子どもはスポーツを通して、身体を使い方やチームワークを学びます。大人になっても、スポーツ観戦や趣味としてスポーツを続ける人も多くいます。
この記事では、世界で特に人気の高いスポーツを8つ紹介しています。また、基本データや何が人気の理由なのか、そしてどんな楽しみ方があるのかなどを解説していきます。
ランキングは、「競技人口」「テレビの視聴者数」「ファンの数」「プロリーグの数」「プロ選手の年俸」もとに決定しています。
第1位 サッカー
世界中の競技人口が2億6000万人ほどいるとされるサッカーは、そのファンの数が40億人以上とも言われます。
世界のプロリーグの数やトップリーグのアスリート年俸などを考慮すると、文句なしに1番人気のスポーツと言えるでしょう。
サッカー基本データ
- 競技人口 約2億6000万人
- テレビの視聴者数 約33億人(ワールドカップ)
- ファンの数 約40億人
- プロリーグ数 300
- プロ選手の平均年俸 160万ドル
サッカーが人気の理由
特にヨーロッパにおけるサッカー人気は絶大で、生活に根付いているとも言えます。あるいはブラジルのように、サッカーは子どもたちの人生をかけた夢でもあります。
これはサッカーは世界でも最高額のスポーツ大会を開催していることも関係しています。54カ国が参加するUEFAチャンピオンズリーグでは毎年、15億ドルもの賞金とボーナスが用意されています。
そしてトッププレイヤーの年俸の高さもサッカー人気の理由のひとつです。メッシはバルセロナに所属していた頃、手取りで週給61万ドル(およそ6700万円)を受け取っていたとされます。
サッカー人気の高さは選手のフォロワー数からもわかります。クリスティアーノ・ロナウド選手のFacebookとTwitterのフォロワー数は約1億1500万人にもなります。
これからのサッカーの見どころとしては、世界選手権の枠を超えた「世界一決定戦」があります。2021年夏に開催されたユーロ2020(欧州選手権)の優勝国イタリア代表とコパ・アメリカ(南米選手権)の優勝国アルゼンチン代表が対戦する「世界一決定戦」が行われることが9月28日に発表されました。2022年6月に試合が予定されているので、今から楽しみです。
ブックメーカーにおいてもサッカーの取扱い数はダントツの1位です。
第2位 バスケットボール
バスケットボールはアメリカのNBAが年間に47.5億ドルもの収益をあげている人気の高いスポーツです。
ほかにスペインやギリシャ、イタリアやフランスにアルゼンチンといった国々でプロリーグが人気を集め、さらに毎年多くのリーグが設立されています。
バスケットボール基本データ
- 競技人口 約4億5000万人
- テレビの視聴者数 991万人(2021年NBAファイナル)
- ファンの数 約8億2500万人
- プロリーグ数 189以上
- プロ選手の平均年俸 約490万ドル
バスケットボールが人気の理由
本場アメリカ以外のヨーロッパ諸国などでもバスケットボール市場が拡大していることが、バスケットボールが世界での人気スポーツ第2位となる理由です。
世界のスポーツ競技人口をみても、バスケットボールは約4.5億人とサッカーの約2.6億人を大きく引き離して堂々の1位となっています(2016年時点)。
プロスポーツリーグにおける平均年俸をみると、アメリカのNBAが892万ドル(2019/2020年)と世界第1位となっています。ちなみに2位はIPL(インドのクリケット)で3位はMLB(アメリカベースボール)と続きます。
バスケットボールの魅力は小さなコート内でさまざまなテクニックが繰り広げられること。攻撃時間は24秒以内などスピーディーな展開となるため、一瞬の隙をついたプレイなどに目が離せません。特にトッププレイヤー同士の試合ともなればテクニックの応酬なので、見どころ満載なのがバスケットボールの魅力と言えるでしょう。
第3位 クリケット
日本ではあまり馴染みのないスポーツですが、世界で推定20億人以上のファンがいると言われるのがクリケットです。
イギリス発祥のスポーツですが、特に人気のある国がインドとパキスタンです。たとえばインド版「巨人の星」は野球ではなくクリケットとなっているんです。
クリケットの基本データ
- 競技人口 約3億人
- テレビの視聴者数 約26億人(ワールドカップ)
- ファンの数 約25億人
- プロリーグ数 15
- プロ選手の平均年俸 約3億4000万円(IPLチーム)
クリケットが人気の理由
クリケットの世界大会である「ICCクリケット・ワールドカップ」は、実はFIFAワールドカップと夏季オリンピックに次いで世界での視聴者数が多いと言われます。ではクリケットというスポーツがなぜこれほどまでに人気があるのでしょうか。
それはルールこそ難しいものの、プレイにはそれほど高い技術が必要とされないことが挙げられます。専用の競技場も不要なので、子どもが簡単に楽しめるのがインドでも絶大な人気を誇る理由。
つまりクリケットはバスケットボールやサッカーのような派手なプレイを観て楽しむというよりも、プレイヤー目線で試合を楽しめるというのが魅力かもしれません。
2021年10月には2022年ワールドカップの予選が予定されていましたが、新型コロナウィルス感染症対策として渡航制限のため予選中止となりました。これにより参加予定だった日本男子チームは直近の結果により、残念ながら次のステージへの進出が叶いませんでした。女子チームは11月30日時点でランニングが高い国が次のステージへ出場する予定となっています。
第4位 テニス
テニスは世界で10億人のファンがいると言われるほどに人気の高いスポーツです。
テニスの基本データ
- 競技人口 約1億人
- テレビの視聴者数 約260万人(ウィンブルドン)
- ファンの数 約10億人
- プロリーグ数 なし
- プロ選手の平均年俸 5600万円
テニスが人気の理由
テニスはほかのスポーツよりも試合観戦が楽しめると言われます。その理由は、何といっても対戦する選手同士の技術のぶつかり合いにあります。
たとえば2021年9月2日に行われた全米オープンの2回戦、元世界ランキング5位で身長2メートルオーバーのケビン・アンダーソン選手を元世界ランキング8位で身長170センチのディエゴ・シュワルツマン選手が撃破しました。
アンダーソン選手は時速200キロを超える高速サーブを武器としていますが、対してアンダーソン選手のサーブスピードは平均170キロ。それでも体を使ったストロークでボールに回転と重さを加えることで、アンダーソン選手を振り回す形で勝利しています。
このようにお互いの武器をどのように駆使して試合を組み立てていくのか、奥の深さがテニス観戦の面白さと言えます。
2021年10月に日本人プレイヤーの本玉真唯選手に注目が集まりました。「シカゴ・フォール・テニス・クラシック」の本戦に勝ち上がり、その1回戦で元世界4強位のキャロライン・ガルシア(フランス)選手をストレートで撃破したからです。2回戦は相手選手が怪我により棄権し、3回戦もアメリカのシェルビー・ロジャース選手と激闘の末勝利しました。準々決勝では残念ながら世界ランク9位のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)に敗れましたが、今後の活躍が期待できます。
第5位 陸上競技
オリンピックの花形スポーツであり、性別に関係なく人気があるのが陸上競技の特徴です。
2019年5月に行われた世論調査では、会場で1番見てみたいオリンピック競技の1位が陸上競技(24%)でした。
陸上競技のデータ
- 競技人口 不明
- テレビの視聴者数 不明
- ファンの数 不明
- プロリーグ数 なし
- プロ選手の平均年俸 約540万円(米国)
陸上競技が人気の理由
陸上競技が人気の理由に「対戦方式ではない」ということが挙げられます。サッカーやバスケットボール、クリケットやテニスなどはすべてチームあるいは個人が対戦するタイプのスポーツです。
それに対して水泳や陸上競技は個人あるいはチームそれぞれのパフォーマンスにより勝敗が決まるスポーツです。
純粋に個人あるいはチームがそれぞれのパフォーマンスを追求し、その結果が勝敗となるシンプルさが人気と言えます。ルールがわかりやすいというのが、陸上競技が観戦して楽しめるスポーツである理由です。
第6位 ラグビー
ラグビーはオーストラリアやニュージーランドといった南半球で人気の高いスポーツです。
ラグビーの基本データ
- 競技人口 約2000万人
- テレビの視聴者数 約1280万人(ワールドカップ)
- ファンの数 約4億7500万人
- プロリーグ数 6
- プロ選手の平均年俸 1000万円〜8000万円
ラグビーが人気の理由
プロリーグはイングランドの「プレミアシップ」やスコットランド・アイルランド・イタリア・南アフリカ・ウェールズの5カ国からなる「プロ14」などがありますが、特にフランスの「トップ14」が有名です。
ラグビーワールドカップは夏季オリンピック、サッカーワールドカップに次ぐ世界3大スポーツ大会の1つであり、テレビ視聴者数は200カ国以上で40億人以上にもなるといわれます。
ラグビーはイギリス生まれの紳士のスポーツと言われますが、まるで格闘技のような迫力を楽しめるのが人気の理由です。さらに複雑なルールゆえ、戦術とテクニックが必要とされることもラグビーの魅力と言えます。ルールがわかればお互いのチームがどのような戦術で戦っているのかを見て楽しむことができます。
第7位 F1
F1の基本データ
- 競技人口 20人
- テレビの視聴者数 19億2200万人(2019年)
- ファンの数 5060万人(2018年)
- プロリーグ数 なし
- プロ選手の平均年俸 2〜4億円(最高68億円)
F1が人気の理由
世界のF1ファンはおよそ10億人から5億人に減少したと言われますが、これはテレビ放映が減少したのが原因です。
とはいえF1はモータースポーツの最高峰として注目を集めています。F1マシンは走る広告塔と言われるほどにスポンサー企業はお金を注ぎ込み、レーシングチームの年間予算は数百億円にもなると言われます。
また転戦に伴い移動するF1関係者は1000人ほどにもなり、開催地での経済効果は計り知れないほどに大きなものです。
F1観戦の魅力といえばやはりモンスター級のF1マシンが疾走するところにありますが、なかでも公道を走るモナコグランプリは見応えがあります。美しい街並の中をF1マシンが走るという非現実感は、ほかでは見られないものです。
またチームが世界を転戦する様子を見るのも楽しいものです。気候条件などが異なるサーキット場に合わせてマシンをどのように調整するのか、あるいは破損したマシンをいかに修理するのかなど、メカニックが好きな人にとっても見どころは多いと思います。
第8位 ボクシング
東京オリンピックでは女子フェザー級の入江聖奈選手が日本人女子で初めて金メダルを獲ったことでも注目を集めたボクシング。
アメリカやメキシコ、そして東ヨーロッパ諸国などで人気のスポーツです。
ボクシングの基本データ
- 競技人口 2万3460人(2017年)
- テレビの視聴者数 約10億人(メジャーマッチ)
- ファンの数 不明
- プロリーグ数 なし
- プロ選手の平均年俸 約565万円
ボクシングが人気の理由
ボクシングは格闘技としての歴史が長く、テレビ放送される以前から世界各国で普及していました。また殴ることだけが許された格闘技としてルールがわかりやすいのも人気の理由です。
ただしルールは簡単ですが選手によってプレイスタイルが違うのもボクシングの魅力です。足を使う選手や防御に徹してカウンターを狙う選手など実に多彩です。そのようなプレイスタイルの異なる選手がいかに相手を攻略し試合運びをするのか、ボクシングの観戦はそこに魅力があります。
ボクシングの団体は次の4つがあります。
- WBA
- WBC
- IBF
- WBO
WBAがもっとも歴史が古く、2021年10月時点で日本人チャンピオンとしてミドル級の村田諒太選手、バンタム級の井上尚弥選手などがいます。
WBCはWBAから分離した団体で、日本人チャンピオンはライトフライ級の寺地拳四朗選手がいます。IBFは国際ボクシング連盟のことで1988年発足と1番新しい団体です。WBAバンタム級チャンピオンの井上尚弥選手はIBFバンタム級のチャンピオンでもあります。
WBOもWBAから独立した団体で規模が小さく、女子ボクサーも多く活躍しています。日本人チャンピオンとしてはフライ級の中谷潤人選手やスーパーフライ級の井岡一翔選手がいます。
まとめ
世界で人気の高いスポーツをご紹介しましたが、それぞれに競技を楽しめるもの、観戦して楽しめるものがありました。スポーツは私たちに感動や刺激をあたえてくれるのがだと改めて分かりました。
みなさんも様々な方法でスポーツを楽しんでみましょう。